いきさつ
仕事で、広角で写真を撮る必要が出てきました。
新たにレンズを買うお金もないので、手持ちのレンズを漁っていたら…
出てきました。
OLYMPUS フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/IMG_2294.jpg?resize=810%2C608&ssl=1)
焦点距離が9mmの魚眼レンズです。
ただf8なので、かなーり暗いです。
でもボディはE-M10なので、そこは感度アップでフォローできるだろうと(笑)
ただ、魚眼レンズなので相当歪みます。
いわゆる「歪曲収差(樽型歪み)」ってやつです。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/3d16af0fb8d33a724a15079a6e4ff673.png?resize=810%2C483&ssl=1)
今回は、その歪みを簡単に直す方法です。
模索
まずは、Photoshopで補正。
ググると、広角補正で結構直せることが分かりました。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/9e939c05598d8b7d8a6998daa6dc2895.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
ただ、コンストレイント(青線)をイチイチ指定してやらないといけません。
効率が悪いし、仕上がりもイマイチ。
レンズのプロファイルがあれば一発で直せるようですが、BCL-0980のプロファイルはAdobeからリリースされていない。
プロファイルを作れないかなーと思って検索してみると、Adobe Lens Profile Creatorなるものがありました。
これはトライしてみなければ。
プロファイルの作成
プロファイルの作成は、チャートを印刷してそれを撮影するらしい。
A3用のプロファイルで一番細かいのを印刷。
それを平板に貼り付け。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/photoshop_lensprofile-1.jpg?fit=1024%2C768&ssl=1)
イーゼルに立てかけて、BLC-0980を付けたカメラを平行になるように何となく固定。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/photoshop_lensprofile-6.jpg?resize=810%2C608&ssl=1)
絞りは固定ですが、シャッタースピードも固定させないと、カメラの角度を変えた時に露出が変わってしまいます。
なので、マニュアルモードで撮影。
撮影は、チャートが画角を全て網羅するように、角度を変えながら複数枚を撮影。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/f02a30e4a8e75284621cc7d9957df93a.png?fit=1024%2C606&ssl=1)
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/f89c71aab2121c5847487db2a7592ee7.png?fit=1024%2C654&ssl=1)
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/a9f9ef55f943f1596d0fa13918567dcc.png?fit=1024%2C615&ssl=1)
撮影した画像をAdobe Lens Profile Creatorにロード。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/photoshop_lensprofile-2.jpg?fit=1024%2C615&ssl=1)
チャートの行列と、四角形のサイズを指定。
これは、チャートに印刷されている数値をそのまま入力。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/photoshop_lensprofile-1-1.jpg?fit=1024%2C615&ssl=1)
今度は写真を拡大して、画像上の四角形のサイズを指定。
「1」のボタンを押して、四角形の一辺をドラッグして指定。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/d788efc1665ce18d02e1b47fd22e2865.png?fit=1024%2C382&ssl=1)
「測定した値を指定していいか?」と聞かれるので、Yesをクリック。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/594438024e027ee6c819a592133ca0fe.jpg?fit=1024%2C615&ssl=1)
プロファイル名、カメラとレンズのモデルを入力。
「Lens」セクションはレンズの種類。
今回は魚眼レンズなので「Fisheye」を選択。
「Model」も必要に応じて指定。
「Chromatic Aberration Model」は、色収差の補正
「Vignetting Model」は、ケラレ。
今回は、全て補正。
パラメーターの指定が終わったら、右上の「Generate Profile」をクリック。
各画像の千鳥模様を基に、レンズ特性をモデリングしていきます。
保存先は自動的に指定されているので、そのまま保存。
さて、うまくいくかな?
画像補正
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/3d16af0fb8d33a724a15079a6e4ff673.png?resize=810%2C483&ssl=1)
こちらがBCL-0980で撮影した画像。
画角の端ほど樽型に歪んでます。
これを補正します。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/9f0dcc6e5ae346aecedcd4a9b3ba0a0b.png?fit=1024%2C596&ssl=1)
「レンズ補正…」を選択。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/19e0bf019abcfb8de03a53349b6134b1.png?resize=810%2C501&ssl=1)
こんな画面が表示されます。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/057f2ffa4e963f9b2ef99f79dd478520.png?fit=1024%2C640&ssl=1)
画面の右側に「検索条件」というところがありますが、ここでレンズを指定します。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/4890c358fd8efdf5da625c5aa1f892c0.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
こんな感じで。
もう補正されてますね(笑)
壁の角やサッシなどを見ると、綺麗に補正されてるのが分かります。
どうやら周辺光量も補正できるようです。
何となくいい感じになってますね(笑)
これがポチポチッとできちゃうのは、なかなか便利です。
一連の操作をアクションに記録させておけば、ショートカットキー一発で補正できちゃいます。
すげー。
シフトレンズ効果
これまでの補正で画像の歪みは直せました。
が。
目線から撮影しているので、見下ろしているような画像になっています。
今度は、これを正面から撮影したような補正をしてみます。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/3e1c77aede0ec9ee241d5f8dab6e57f5.jpg?fit=1024%2C633&ssl=1)
「カスタム」タブを選択します。
その中の変形のパラメーターで調整していきます。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/7788d75bc9efb0c626f0c84ebf297c9a.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
「垂直方向の遠近補正」を調整。
サッシ右側の桟を基準に調整してます。
グリッドを表示させると調整しやすい。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/e5ab560ebb2584887f51c2938e0120f2.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
「水平方向の遠近補正」を調整。
カーテンレールを基準に。
水平垂直の補正を組み合わせると…
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/eaae2e5e9969cc9000019d46aa69caf9.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
こんな感じになりました。
まとめ
元画像 歪曲補正 遠近補正
作成したプロファイルを使った歪曲補正は、かなり良い感じで補正してくれました。
遠近補正まですると、ちょっと不自然な感じになります。
そもそも、こういう被写体では使わないんでしょうけどね(笑)
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/06/cff159a7e80ef97258c48a35611643f2.png?fit=1024%2C633&ssl=1)
しかし、遠近補正すると魚眼レンズで撮影している意味がなくなってきます。
最終的にはこんな画像になっているので、相当クロップしないと使い物にならないです。
おすそ分け
作成したプロファイルは、ダウンロードして指定のフォルダに入れれば使えるようです。
こちらからダウンロードできるようにしましたので、ご入用でしたぜひ。
インストール先は、こちらかも。
OSのバージョンによって違うかも知れません。
macOS
Users/[ユーザー名]/Library/Application Support/Adobe/CameraRaw/LensProfiles/1.0/
Windows
Users/[ユーザー名]/AppData/Roaming/Adobe/LensCorrection/1.0/Settings