キーレスエントリーを蘇生せよ!

いきさつ

ヤフオクで購入して取り付けた、キーレスエントリーシステム。
運転席側が開錠できなくなってしまった。

購入元に相談したところ、配線が一番怪しいということだったので調査。

アクチュエータに12Vが来ないといけないのに、電圧が低い。
アクチュエータを切り離すと12Vになる。

配線し直したり、新しいアクチュエータを送ってもらって交換しても治らない。

こりゃコントローラーしかないと思い再度問い合わせ。
しかし、コントローラーの故障は今までに無いということで、もう一度配線を見直せと。

いやいや、こちとら電気屋。
そんなヤワな配線はしない(笑)

コントローラーしか原因が無いので調べてみた。

解析

これがコントローラー内部。
リレーがひとつ無くなっていますが、本来は4個付いてます。

左側2個のリレーでロッドを動かすアクチュエータの電源を作ってます。

リレーを外してテスト。

リレーが動作していない時の導通。0ΩでOK。

リレーを動作させた時の導通。110Ωくらい抵抗あり。

リレー、ダメぢゃんか(笑)

そりゃ、アクチュエータ繋いだら電圧下がるワケだわ。

検証

リレー内部がどうなっているか、分解してみました。

リレーは、電磁石で動くスイッチ。

細い線が巻かれているコイルに電気が流れると磁石になります。

コイルには鉄片が添えられており、磁石になったコイルに引き寄せられ、鉄片についている接点が動きます。

リレーの接点部。

写真はリレーが動作していない状態。

この状態では、鉄片についているバネの効果で、鉄片はコイルと離れた状態になってます。

すると、鉄片についている可動接点は「接点 A」と接触します。

コイルに電気が流れると磁石になるので、鉄片が引き寄せられ、可動接点が下がります。

今度は、可動接点と「接点 B」が接触します。

コイルに電気を流すのを止めると磁石が無くなるので、可動接点はバネの効果で元に戻り「接点 A」と接触します。

これがどーしたって感じですが、とても大事なこと。
小さい電気で、大きい電気の流れを変えることができる。

メーカーのWebで動画で解説してます。
興味がある方はぜひ。
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-relays/part1/basics#basic03

このキーレスエントリーシステムでも、制御しているのは小さい電気しか扱えないけど、リレーを通して大きな電気を扱うことができるようになってます。

ただ欠点もあって、動くところがあるので故障しやすい。
物理的に電気を切り替えているので、火花の発生は避けられない。

今回の故障は正にそれ。
さらに分解。

接点 Aと可動接点を持ち上げたところ。

接点 Aと接点 Bにススがついて黒くなってます。
これ、火花が飛んでススが付いたんです。

ススがつくと電気が通りにくくなって、故障の原因になります。

こうなってしまうと、リレーを交換するしかありません。

火花を飛びにくくするための工夫も必要ですが、使うリレー選びも大事です。

修理

リレー不良が分かったので、交換です。

ただ、同型を入手するのは面倒。
海外メーカー品で、一般的に買えるものじゃありません。

形は違っても、電気的に同じならOK。

ということで、用意しました。

リレーは、OMRON G5CE-1 12VDC
これをユニバーサル基板にマウントさせる。

基板からジャンパー配線。

ユニバーサル基板をケースに固定。

配線は、ケースに穴を開けて通す。

こんなの余裕っしょ、とナメてました。

動かなーい(泣)

リレーの選定を間違えてました(笑)

こちらが正解のリレー OMRON G5SB-14 12VDC

違いは接点の種類。
間違えた方は1aというもの。
正解は1cでした。

配線が増えてます。
これで無事動作OK!

まとめ

このキーレスエントリーシステム、簡単な仕組みで作られてました。

2個のリレーを組み合わせて、アクチュエータ内のモーターに流す電流の向きを変えてます。

修理した時は構成を覚えていたのですが、忘れました(笑)

汎用品を使って便利なものを作るのって、素敵ですね。

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