いきさつ
ヤフオクで購入して取り付けた、キーレスエントリーシステム。
運転席側が開錠できなくなってしまった。
購入元に相談したところ、配線が一番怪しいということだったので調査。
アクチュエータに12Vが来ないといけないのに、電圧が低い。
アクチュエータを切り離すと12Vになる。
配線し直したり、新しいアクチュエータを送ってもらって交換しても治らない。
こりゃコントローラーしかないと思い再度問い合わせ。
しかし、コントローラーの故障は今までに無いということで、もう一度配線を見直せと。
いやいや、こちとら電気屋。
そんなヤワな配線はしない(笑)
コントローラーしか原因が無いので調べてみた。
解析
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-17.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
これがコントローラー内部。
リレーがひとつ無くなっていますが、本来は4個付いてます。
左側2個のリレーでロッドを動かすアクチュエータの電源を作ってます。
リレーを外してテスト。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-23.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
リレーが動作していない時の導通。0ΩでOK。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-21.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
リレーを動作させた時の導通。110Ωくらい抵抗あり。
リレー、ダメぢゃんか(笑)
そりゃ、アクチュエータ繋いだら電圧下がるワケだわ。
検証
リレー内部がどうなっているか、分解してみました。
リレーは、電磁石で動くスイッチ。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-5-1.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
細い線が巻かれているコイルに電気が流れると磁石になります。
コイルには鉄片が添えられており、磁石になったコイルに引き寄せられ、鉄片についている接点が動きます。
![](https://i1.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-7-1.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
リレーの接点部。
写真はリレーが動作していない状態。
この状態では、鉄片についているバネの効果で、鉄片はコイルと離れた状態になってます。
すると、鉄片についている可動接点は「接点 A」と接触します。
コイルに電気が流れると磁石になるので、鉄片が引き寄せられ、可動接点が下がります。
今度は、可動接点と「接点 B」が接触します。
コイルに電気を流すのを止めると磁石が無くなるので、可動接点はバネの効果で元に戻り「接点 A」と接触します。
これがどーしたって感じですが、とても大事なこと。
小さい電気で、大きい電気の流れを変えることができる。
メーカーのWebで動画で解説してます。
興味がある方はぜひ。
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-relays/part1/basics#basic03
このキーレスエントリーシステムでも、制御しているのは小さい電気しか扱えないけど、リレーを通して大きな電気を扱うことができるようになってます。
ただ欠点もあって、動くところがあるので故障しやすい。
物理的に電気を切り替えているので、火花の発生は避けられない。
今回の故障は正にそれ。
さらに分解。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-9.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
接点 Aと可動接点を持ち上げたところ。
接点 Aと接点 Bにススがついて黒くなってます。
これ、火花が飛んでススが付いたんです。
ススがつくと電気が通りにくくなって、故障の原因になります。
こうなってしまうと、リレーを交換するしかありません。
火花を飛びにくくするための工夫も必要ですが、使うリレー選びも大事です。
修理
リレー不良が分かったので、交換です。
ただ、同型を入手するのは面倒。
海外メーカー品で、一般的に買えるものじゃありません。
形は違っても、電気的に同じならOK。
ということで、用意しました。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-20.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
リレーは、OMRON G5CE-1 12VDC。
これをユニバーサル基板にマウントさせる。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-24.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
基板からジャンパー配線。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-25.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
ユニバーサル基板をケースに固定。
![](https://i2.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-26.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-27.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
配線は、ケースに穴を開けて通す。
こんなの余裕っしょ、とナメてました。
動かなーい(泣)
リレーの選定を間違えてました(笑)
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-1.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
こちらが正解のリレー OMRON G5SB-14 12VDC。
違いは接点の種類。
間違えた方は1aというもの。
正解は1cでした。
![](https://i0.wp.com/caciocavallo.jp/wp-content/uploads/2019/05/keyless-2.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
配線が増えてます。
これで無事動作OK!
まとめ
このキーレスエントリーシステム、簡単な仕組みで作られてました。
2個のリレーを組み合わせて、アクチュエータ内のモーターに流す電流の向きを変えてます。
修理した時は構成を覚えていたのですが、忘れました(笑)
汎用品を使って便利なものを作るのって、素敵ですね。